9/07/2010

VMworld 2010 についてのまとめ

2004年に初めて開催されたVMworldは今年で7回目を迎え、参加者は約17,000人になった。そのためか、今年はセッションを事前に予約することができなくなっており、ほとんどのセッションでは最低30分は列に並ばないとセッション会場に入場させてもらえない状況であった。実際に前のセッションが終わった時点で次のセッションはすでに定員に十分な列 ができており、並ぶことさえ断られたセッションもいくつかあった。また他のカンファレンスなどでも同様だが、パートナーが主催のセッションは魅力的な タイトルであっても⾃社製品の宣伝が中心になっており、得られるものはほとんどない。次回参加する機会があれば、 VMware主催のセッションか、アナリストのセッションを中心に選択したい。

さて、去年からおぼろげにクラウドプラットフォームを提供する企業へと変革する道筋が見えていたが、今年になってVMwareがクラウドプラットフォームを提供するのに不足していたピースを埋めてきたということが世の中に知れ渡り、VMwareにとっても今年のVMworldは⼤きな転換点となったはずだ。

VMwareのIT as a Serviceのためのスタック


まずインフラの話では、IntegrienとTriCipherの買収を⾏うことを発表した。Integrienは データセンタの性能分析、TriCipherはSaaSアプリケーションのためのアイデンティフェデレーションの会社。いずれも2010年Q4に買収が完了する見込みだ。

プラットフォームについては、昨年 Spring Source(および付属するCloud FoundryとHyperic)の買収、今年に入ってからは Salesforce.comとの提携による「VMforce」、SUSE Linuxとの提携による仮想アプライアンスを発表し、開発プラットフォームとOSがVMwareファミリに加わったことで、VMwareはインフラよりも上にも⼿を出すのか、と騒がれていた。そして今回はそれらを統合するvFabricを発表した。 vFabricはSpringフレームワーク、アプリケーションサーバのtcServer、分散データソフト GemStone、メッセージングサービスRabbitMQ、ロードバランサERS、アプリケーションパフォーマンス管理Hypericの集合体だ。vFabricではJavaだけでなく、Ruby on RailsやPHPなどの他の開発言語にも対応していく。

そして最後、エンドユーザアクセスのために、VMware Viewと呼ばれるデスクトップ仮想化とその管理・配信のためのアーキテクチャの最新版、VMware View 4.5をリリースし、オフラインでも仮想デスクトップが利用できるようになった。これらVMware製品ファミリで目指すものは「IT as a Service」だ。これまでの仮想化がITリソースを⽣産することに対する最適化だったのに対して、これからは「ITを使っていかに迅速にビジネスバリューを生み出すか」にあるのだ。

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