5/27/2010

最近のGoogleの動きとGoogle I/O

最近のGoogleの動きとGoogle I/Oに関してまとめておく。

●Googleも企業BIを狙っている
GoogleのベータサービスであるLabsに、MapReduceホスティング的サービス「BigQuery」が登場。これまでデータウェアハウスがやってきた分野をHadoopディベロパがかっさらおうとしている最中、MapReduceの本家がそのホスティングサービスを開始すると言っているように聞こえる。ユーザはGoogle Storage for Developers経由で巨大なデータを転送し、SQLライクな命令でBigQueryに処理を委託できる。



http://googlecode.blogspot.com/2010/05/bigquery-and-prediction-api-get-more.html


またGoogle App Engine上でMapReduceを実現するオープンソースプロジェクト「appengine-mapreduce」も動き出した。前述のBigQueryは中身が隠蔽されているため、MapReduceで処理しているかどうかは不明だが、appengine-mapreduceはMapReduceのオープンソース版と言っていい。


現在はPythonのみ、しかもMapperの試験実装だけが公開されているが、今後はJava版の開発も行っていく模様だ。

●Google I/O 2010でのいくつかの重要な発表
2010年5月19日から2日間、Googleによるディベロパ向けの年次イベント「Google I/O」がMoscone Center (San Francisco, CA)で開催され、5,000人以上のディベロパが参加した。「I/O」はディベロパがコーディングをするときに最初に考えるものである入出力を表すと同時に、Webやコラボレーションを使ったオープンな中でのイノベーション(Innovation in the Open)という願いがこめられているとのこと。参加には$2,000以上必要だが、チケットはほぼ即日完売の人気ぶり。今年はキーノートの様子がYouTubeでリアルタイム中継されており、Twitterでは視聴者が秒刻みでキーノートの様子を逐次アップしていく様子を見ることができた。リアルタイム中継の視聴者の数は24,000人であった。キーノートの様子はそのままYouTubeにオンデマンドストリーミングとしてアップロードされており、現在も観ることができる。

http://code.google.com/intl/ja-JP/events/io/2010/

・HTML5向けWebアプリケーション開発が本格始動
(Internet Explorer以外がHTML5をサポートしているグラフを示しながら)すべてのモダンなブラウザがHTML5をサポートしていると言い放って観衆から拍手喝采を受けると、今後はHTML5がWebを支える重要な技術でありGoogleはディベロパが簡単にHTML5の技術の恩恵を受けられるようにAPI開発を行っていく、と本腰でHTML5をやっていく姿勢を示した。
・ビデオコーデック「VP8」のオープンソース化
今年Googleはビデオコーデック技術の会社であるOn2 Technologiesを$2Bで買収しているが、Googleはその「VP8」と呼ばれるビデオコーデックをオープンソースにすることを発表した。そしてオープンソースの音声フォーマットOgg Vorbisと合わせてオープンで高品質なWebメディアを開発するプロジェクト「WebM」を立ち上げることを発
表した。

WebMプロジェクトには、Mozilla、Adobe、Opera、Skypeなどのソフト系ベンダだけでなく、AMD、ARM、NVIDIA、Qualcommなどのチップ系ベンダなど38社が参画している。なお、YouTubeにアップされているこのキーノートのビデオも、早速WebMを使って制作されていた。つまり、Adobe Flashで既にWebMをサポートしていることがわかる。また既存のYouTube動画のURL末尾に「&webm=1」を追加すると、実験的ではあるが、WebM版の動画リストが表示されるようになっている。もちろん再生するには「モダンなブラウザ」が必須である。


・Chrome Web Store
Webアプリが増えるに従い、ユーザが目的のアプリケーションを見つけるのが難しくなってきた。またディベロパはアプリを配布する環境を整え、マネタイズの方法を考え効果的に宣伝し、ユーザからのフィードバックを得る、というのは簡単ではない状況にある。そこでGoogleはWebアプリのマーケットプレイスを開発中であることを発表。いってみれば、Google版のApp Exchangeであり、iTunes App Storeである。面白いのは、C++などのネイティブコードで書かれたアプリも扱えること。つまりWebブラウザで高速に動作する3Dゲームを楽しむこともできる。日本語を含む40以上の言語を対象に開発を進めており、2010年の秋ごろに公開を予定している。

・VMwareとの協業によるJavaアプリのクラウドポーティング
なんとVMwareのPaul Maritzが登場。そしてGoogleとVMwareがJavaアプリのクラウドポーティングに関する協業について発表。



SpringSourceの持つJavaフレームワークSpringをバックエンドにして、Google Web Toolkit(GWT)のリッチなUIとつなげ、Javaアプリの開発を容易にした。つまりvCloudにSpringフレームワークを乗せただけでなく、なんとGoogle App EngineにもSpringフレームワークを乗せてしまったのだ。





デモではわずか200キーストロークだけで経費精算レポートシステムを構築、時間にすると解説も入れてわずか2分。信じられない方は是非YouTubeをご覧いただきたい(デモは1:30:00頃)。もちろん、開発したアプリはクリックひとつでGoogle App Engineにデプロイ可能。またGWT 2.1 Widget Libraryを使うとそのままiPhone/iPadやAndroidなどのモバイルでも同じWebアプリケーションが利用できる。次のデモでは、さきほど2分で構築した経費精算レポートシステムを使って、Nexus Oneから3Gネットワーク経由で夕食接待費の精算申請を入力し(左側)、上司がそれをWiFi経由のiPadで承認してみせた(右側)。


・ビジネス向けGoogle App Engine
ビジネス向けのGoogle App Engineを発表。これは通常のGoogle App Engineにビジネス向けの機能を追加したものだが、注目すべきはSQLデータベースの提供だろう。これまではGoogle App Engine上のアプリがデータを永続化するには、BigTableと呼ばれる列指向DBMSに特殊なAPIを通してアクセスする必要があり、これまでのRDBMSを前提に構築されたアプリを乗せるのは容易ではなかった。SQLがサポートされることで、一番大きな敷居が取り除かれることは確実だろう。事実、会場にいるディベロパからは拍手が起こった。
気になる料金は、ユーザあたり$8/月とリーズナブル。1つのアプリケーションで最大$1,000/月まで課金し、それ以上は使い放題になる。SNSなどの非業務系アプリから試してみてはいかがだろう。顧客に提案する際のインフラの選択肢のひとつとしても使えるだろう。


まっさらな会社が新しい社内システムを作る場合にはとても魅力的だが、既存のシステムを持つ会社がこれに移行するには、移行期間に並行運用が可能となるような仕組み(認証基盤、データのツナギなど)が提供されなければならない。もちろん、明日あたり、これらの機能が実装されたGoogle Appsが前述のChrome Web Storeにアップされているのかもしれない。


・Android 2.2
1人の独裁者、1つの企業、1つのデバイス、1つのキャリアからもたらされるのは1つの選択肢しかない、こんな未来はいらない、とバッサリ。明らかにAppleを指して言っている。一方GoogleのAndroidは21のハードウェア企業にOEM提供し、世界 48カ国の59のキャリアで動作する。

そのAndroidの新バージョンである2.2(コードネーム"Froyo")が発表された。パフォーマンス向上、企業向けの機能強化、アプリケーションのクラウドバックアップ、クラウドからのPUSH型メッセージングAPI、Webアプリケーションからのカメラ/GPSなどのデバイスへのアクセス方法の提供、音声検索など。メッセージングAPIはちょっと面白い。PCからクラウド経由でAndroidデバイスにメッセージを送信できる。例えばPC上のGoogleマップで検索したナビゲーション情報を送ると、AndroidデバイスではGoogleマップが自動的に開かれナビゲーション情報を表示する。




・Google TV
Webとテレビを融合するソフトウェアプラットフォーム「Google TV」を発表。Android 2.1ベースでChromeブラウザとFlashがついている。そのため、モバイルで観ていたYouTubeの動画をTVに送信して家族でシェアして観たり、Android Marketからアプリをダウンロードして走らせたり、Flashゲームを楽しんだりできる。デモではドラマのクローズドキャプション(字幕)をGoogle Translateを使ってリアルタイム翻訳して表示させていた。Google TVを使う方法は次の3つ。Sonyから発売予定のGoogle TV対応テレビ、Logitechから発売予定のセットボックス、サテライトボックス。いずれも2010年秋に発売を予定している。

4/27/2010

おうちを買う人が増えて思うこと

お久しぶりです。
こっそりとNew Yorkに行ってきました。やっぱ都会は違うわ。Californiaに帰ってきてホッとする不思議な自分に出会った春でした。


さて最近、僕のまわりでは、おうちを買う人、買った人、買おうとしている人が増えました。きっと同じぐらいの年頃の人たちは、就職、結婚、出産を終え、さて次は家でも買うか、というところなんでしょう。そんな中で、みんな必ずといっていいほど、まだ賃貸に住み続けるか、ローンで新築買っちゃうかについて悩んでいます。僕はそういう友達には「ローンで家を買うということは、今から老後に向けて不動産投資をするということだ」と言っています。どれぐらいの人が僕が意味しているところを理解しているのか怪しいけど、僕は暗に「やめとけ」と言っているのです。


確かに「住居の確保」という視点で見ると「賃貸 vs 購入」という構図になるんだけど、僕には固定資産の取得にしか見えない。これには賛否両論あるし、既に買っちゃった人の中では議論に白熱する人もいるので、ここであまり深く議論するのはよしときます。


投資とは、将来の資本増加を見込んで、何らかのリスクを含む投資先に対して、現在の資本を投下する行為である、と僕は理解しています。リスクの無い投資はありません。


借金して投資をするべからず。


僕がおうちを買うときは、たぶんキャッシュです。ただし新築は買えそうにありませんから、誰かが手放す中古マンションを買おうと思います。

4/06/2010

Steve Jobsの着こなしに肖る

言わずとも知れるApple社のCEO、Steve Jobs!徹底された秘密主義のため、彼が壇上で新製品の発表する姿をみつめる聴衆の目はまさに神を見るようです。膵臓ガンとホルモン異常を克服してから、痩せて、ハゲて、ますます神がかってきましたね。彼は、完成された製品を最後に魅力的に仕上げる魔法をかけることもできるのです。彼がいうなら、大根だって高値で売れそうです。そしておなかいっぱい食べた後に、満面の笑みでもっておかわりできそうです。

そんな彼に肖(あやか)ってみようじゃありませんか!

Steve's OutfitというWebページがあります。

その名の通り、なんとSteve Jobsの着こなしを値段付きで紹介してます。と、そこまでは良いのですが、どうもこの情報は正しくなさそうなので、修正しておきますね!

●Steve Jobsの着こなし
トップス: Issay Miyake / Long Sleeve Turtle-neck Black T-Shirt $150.00
パンツ: Levi's / 501 Original Medium Stonewash $48.00
靴: New Balance / M992 Gray $130.00

※そして僕の知る限り、ソックスは黒です。


もし僕がSteve Jobsと同じ3点だけで着こなせといわれたら、、、

●僕の着こなし
トップス: Laundry / T-Shirt $40.00
パンツ: Hollister / Huntington Slim Straight $49.50
靴: New Balance / M576UK $250.00

当たらずとも遠からず。彼はトップスにお金をかける派なのか?でもこの違いが神と僕の違いなのかもしれません(笑)。

みなさんなら3点に何を選ぶ?

3/20/2010

欲しい板 - Yonex 4XP B.Q.E.

ベニア板でもオーク材でもないですよ。スノボの板です。
先日、Lake Tahoeに滑りに行ったときに板が負傷しまして↓


さすがに岩肌はヤバかったらしいのです。で、ちょっと物色してみたところ、飛べそうで回せそうなかわいい板を発見!



シーズンが終わって昨年モデルで安くなってはいますが、YonexってMade in Japanじゃないですか。どう考えても日本で買った方が絶対安いよね。なので欲しくて買えない=AmazonのWish List入りしました〜。僕のWish Listには他にNicon D90とか、オーテクの新しいヘッドフォンアンプとかが入ってます。全部Made in Japan(笑)。もうどんだけ日本好きなのかと、小一時間自問自答したい。次に日本に帰省するときまでお店に置いてますように。それか、誰か日本で買っておいてくれる人募集。お金は雪山で払います。 

さて、今日はSaratogaのKinokuniyaでこんな本を買いました。



なんとお値段、$52.70也。プレミアム価格ってやつ?Amazon.co.jpで国外発送もできるんだけど、送料は¥3,000 + ¥300 × 購入点数なのです。その場合は合計 ¥6,870(=$76.30@¥90/$) になってしまう。 それよりはマシ。
てゆーか、本当は松本さんのRuby本↓


が欲しかったんだけど、置いてなかったんだよね。だからこっちで買った英語訳版で我慢。いつもはC(カーニハン)、C++(ストラウストラップ)、Java(ゴスリン)なんかの外国人が作った言語本を日本語訳したものを読んでたのに、今は日本人が作った言語本の英語訳を読んでいる。とても不思議な感じです。

3/18/2010

アメリカの名刺と肩書き


このあいだ、年度末の名刺整理をしていたところ、アメリカに来てからいただいた名刺が公私合わせて300枚になっていることに気づきました。昨年の5月にアメリカに来たことを考えると、1日に1人、新しい人に会っている計算になります。凄いように聞こえて、実は半分はエキスポなどのイベント事で交換したものなんですけどね。そこで、名刺を並べていて気づいたのですが、どうもアメリカの名刺のほうが日本の名刺よりもひとまわり小さく作られているようです。こちらで買ったクリアケースに日本の名刺だけがうまく収まりません。もっとも、最近は丸いものや言葉では表現できないものなど、デザインが凝っている名刺がありますので、クリアケースに収めようとすること自体がいいアイデアではなかったようです。


さてこのアメリカの名刺、日本と違うのはは大きさだけではないようです。僕の手元にある日本の名刺は、アメリカにある日系企業の駐在員や、日本から出張でいらした方の名刺などですが、明らかに文字数が違います。半分ぐらいは片面が日本語になっている名刺なので、「日本語訳」を見ることができます。どうも部署名や肩書きが長いため、文字数が多く見えるようです。そこから想像するに、これは翻訳の問題だけではなくて、おそらくこれは日米の企業文化や組織構造の違いにも関係がありそうです。気がつくところを挙げてみます。


1) 部署名が長い
アメリカの名刺は、部署名は1行、長くても単語6〜7個が普通のようです。5人未満のスタートアップ企業でも、数万人規模の大企業でも同じです。日本の会社は大きい会社になるほど部署名が長くなりますので、日本語にしてみるとこんなもんかと思うのですが、アメリカのものと比べると奇妙なぐらいに部署名が長いです。それだけで複雑で動きが重い印象を感じます。しかも、ひどいのはそのままエキサイト翻訳に突っ込んだんじゃないかという残念な名刺もあります。


2) 職種が曖昧
アメリカでは、特に名刺の上では、職種を明確に記載することがほとんどです。後で連絡をする時、誰に連絡をすべきかをすぐに判断できるようになっています。例えば「○×ソフトのセキュリティ機能について仕様を訊きたい」と思ったら、Product SalesやProgramming StaffやDatacenter Architectではなくて、Software Architectにメールを送ればいいのです。一方、日本の名刺は、部署名とは正反対にシンプルです。Engineer、Manager、Director、Salesなど。これは日本の組織構造を想像しながら部署名と合わせて類推できないと、実際に何をしている人かを当てるのは難しいでしょう。


3) 役職(職位)もおかしい
前述の職種にもつながるのですが、アメリカは日本の企業のように縦の深さがないので、組織構造のツリーを翻訳するときにうまく対応づけられないのかもしれません。例えば、Managerが設計をすることがあるとアメリカ人が知ったら驚くと思います。それから、肩書きがないのがあったりします。きっと日本でいう「担当」なんでしょうが、肩書きがない人=ポジションが与えられていない人です。


今までの僕の経験からみると、アメリカの肩書きは次のようになっているようです。


社長President、Chief Executive Officer
役員クラスChief xxx Officer、Executive Vice President、Senior Vice President
本部長クラスVice President
部長クラスGeneral Manager、 Senior Account Executive
課長クラスSales Director、Account Director、Chief Software Architect、
Chief Network Architect、Chief Consultant
主任クラスAdministrative Supervisor、Sales Manager、Account Manager、Product Manager、Software Architect、Network Architect、Enterprise Architect、Senior Consultant
担当クラスProduct Sales、Solution Sales、Sales Engineer、Software Engineer、Network Engineer、IT Consultant
新人Assistant Engineer、Sales Assistant、Assistant Manager、Administrative Assistant、Staff


そこで提案です。英語の名刺(裏面)は、直訳はやめて、英語圏の文化に合わせて印刷してはどうでしょう?例えば、こんな感じです。

[変更前]
Taro Nippon
Manager


1st Section
Security Software Development Group
Software Development Office
Research & Development Division

[変更後]

Taro Nippon
Chief Software Architect


R&D Security Software Group


もちろん僕は日本以外ではアメリカの企業しか見たことがありませんので、ヨーロッパはまた違うのかもしれません。もしそうであっても、ヨーロッパの取引先が多い方はその文化に合わせて別の名刺を作れば良いと思うのです。この話はうちの会社の名刺も該当しますが、日本から出張して来る他社の方の名刺も同じようになっていますので、もしかしたら名刺屋さんがそういう提案をしているのかもしれませんし、それともどこかに暗黙の規格があって、みんなそれに従っているだけなのかもしれません。まあいろいろ事情があるにせよ、名刺を渡したのにも関わらず「あなたは会社で何をやってるのですか?」と訊かれるのはおかしいと思いませんか?

"Never Eat Alone (独りで食べるな)"という、ビジネスの格言があるそうです。これは「食事は大事なコミュニケーションツールなのに、食事する回数は一生で限られている。独りで食事をすると人脈を作る大切な機会を失ってしまう。」ということを言っています。もちろん僕はエンジニアですから外回りばかりやってるわけにはいきませんが、せめて週に1度は新しい人に出会ってランチに誘いたいと思っています。そのときには、できればわかりやすい名刺を渡したいですね(笑)。来年度は"Never Eat Alone"でがんばります。